「オープン戦、阪神４－５巨人」（１０日、甲子園球場）

　大胆にゾーンを攻める投球で、昨季の日本一打線を手玉に取った。４回２安打無失点。開幕ローテを争う巨人・高橋礼投手が、重要なテスト登板で結果を残した。ギリギリまで悩むと話していた阿部監督も、思わず「入るかもしれない」と絶賛した内容。虎キラー誕生の予感だ。

　三回だ。慎重にコースを攻めた投球から、大胆に初球ストライクを狙った。昨季、リーグ最多の４９４四球を奪った打線。「初球、スイングをしてこないのは肌で感じていた。その辺はプラスにできるところがある」。傾向と初対戦の利を生かした配球だった。

　四回は先頭の森下に左中間を破られ、大山の遊ゴロで１死三塁のピンチを招く。だが続く佐藤輝を投ゴロに抑え、ノイジーには３球勝負。見逃し三振でピンチを脱した。決め球はいずれも１１０キロ台のスライダー。最速１３８キロの直球に「曲がりが大きくなった」という同球が効果的だった。

　「向こうもですが、探りながらの雰囲気はあった。チャンスでは初球から仕掛けてくる打者もいるというのは分かった」

　まだ前哨戦。互いに全て手の内は見せないが、首脳陣も結果、内容ともに及第点を付ける。杉内チーフ投手コーチも「好材料ですよね。十分、ローテーションに近づいた」と評価。次戦は２軍の教育リーグで先発する予定で、問題がなければ開幕３戦目に登板する可能性が高まる。アレンパ阻止の刺客として、新戦力が阪神封じのカギを握る。

　◆高橋　礼（たかはし・れい）１９９５年１１月２日生まれ、２８歳。千葉県出身。１８７センチ、９０キロ。右投げ右打ち。投手。中学時代にアンダースローに転向、専大松戸から専大に進み、１７年度ドラフト２位でソフトバンクへ。１９年には主戦として１２勝も昨年５試合と登板機会を減らし同１１月、巨人へ移籍。