DeNA・ドラ1度会 将来像は巨人・丸 安定感&強さが目を引くスイングの長所はどこ? 谷佳知氏が打撃フォーム分析

 DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手(21)=ENEOS=が対外試合で10試合連続安打を放つなど、定位置奪取へアピールを続けている。昨秋ドラフト会議の1位指名で3球団が競合した社会人No.1打者の長所はどこにあるのか。デイリースポーツ評論家の谷佳知氏が打撃フォームの連続写真から分析した。

  ◇  ◇

 度会は思い切りの良さとスイング強さに魅力がある。

 昨年まで彼が所属していた社会人野球のENEOSと、私がアドバイザーを務めていた東芝は同じ神奈川県のチームで、この3年間、間近でその打撃を何度も見てきた。高卒1年目から右方向に力強い打球をはじき返していたし、都市対抗野球大会でブレークした同2年目の夏以降はよりヒットゾーンが広がって、確実性が増した印象がある。

 連続写真を見ていくと、スイングの安定感と強さが目を引く。

 まず構えた時の①でトップの位置がしっかりと作れており、そこから②、③と頭の位置が動かずにボールを迎え入れる形ができている。こうしたタイミングの取り方ができると、ボールを捉える確率が上がってくる。

 この打席は真ん中付近の124キロのスライダーを中前に打ち返してヒットにしているが、⑧、⑨では右肩が開かずにしっかりと入った状態で我慢ができている。ここに度会の強いスイングの要因の一つがある。この段階で右肩が早く開いてしまうとスイングは弱くなり、強い打球が飛ばない。右肩を開かないことは、本人も強く意識している部分ではないかと感じる。

 インパクトに向かう⑪では、肘が伸びきらずに両腕と胸でしっかりと「五角形」が作れている。この五角形の状態が作れると、体により近い所でボールを捉えることができるので、打球にも強さが出てくる。

 スイング全般を見て、気になる部分はない。プロで成績を残すためには、一線級のキレのある球への対応力が鍵を握るが、度会にはその素地が十分にあると思う。また、ENEOSでもツボにきたら本塁打にしていたし、体ができてくれば長打も期待できるだろう。タイミングの取り方などに違いはあるが、将来像としては巨人の丸選手のようなタイプの好打者がイメージされる。

 積極的で明るく、物おじしない性格はDeNAのチームカラーにもよく合っていると思う。1シーズンをケガなく乗り切れれば、1年目からきっといい成績が残せると思う。

 ◆度会 隆輝(わたらい・りゅうき)2002年10月4日生まれ、21歳。千葉県出身。183センチ、83キロ。右投げ左打ち。外野手。横浜では1年夏と2年春の甲子園に出場。21年にENEOSに入社し、22年の都市対抗で優勝に貢献。橋戸賞、打撃賞、若獅子賞を獲得。父は元ヤクルト・度会博文氏。23年度ドラフトでDeNAから1位指名。

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