甲子園 なぜ?挟殺プレーで三走が「3フィート」超えもアウト判定ならず 元審判員がルール解説「間違いなくアウトになっていたプレイ」
元NPB審判員の坂井遼太郎氏が18日、Xを更新。前日18日の選抜高校野球、熊本国府-近江(甲子園球場)の一戦で起こった判定について解説した。
八回、挟殺プレーで近江の三塁走者がファウルグラウンドによけるようにして逃げた場面。判定はアウトにならなかったが、坂井氏は「この場合、野手は走者に届かなくてもいいので、タッグ(タッチ)行為をしていれば、間違いなくアウトになっていたプレイです。日本の高校野球では、動画のようになぜかタッグ行為をしない選手が多くいます」と、説明した。
続けて、「規則の解釈でタッグ行為が無くても、走者をアウトにしようとするステップがあればアウトと判定されることもあります。ただ判定をするのは、第三者である審判である為、誰がどう見てもアウトにする行為だと分かり、尚且つワンアクションで終わる『タッグ(タッチ)行為』することをおすすめします」と記した。
タイブレークに突入した接戦となった試合で、球場騒然となるプレーが起きたのは八回1死一、三塁。攻撃側の近江がカウント2-1でスクイズを敢行。熊本国府バッテリーがこれを見破り、ウエストして走者を三本間に挟んだ。だが、最後は三走が必死にファウルグラウンド側へ大きくよけるようにしてベースに戻り、三塁塁審はセーフの判定を下した。
熊本国府ナインは走者が走路から3フィート以上離れて走ったことをアピールしたが、審判は認めず。坂井氏が説明したように、熊本国府・三塁手のタッチする仕草が不十分だったとみられる。
◆野球規則5・09b…次の場合、走者はアウトとなる。(1)走者が、野手の触球を避けて、走者のベースパス(走路)から3フィート以上離れて走った場合。ただし、走者が打球を処理している野手を妨げないための行為であれば、この限りではない。この場合の走者のベースパス(走路)とは、タッグプレイが生じたときの、走者と塁を結ぶ直線をいう。