豊川・モイセエフが新基準バット1号 “飛ばない”も「シンで捉えれば飛ぶ」 両親ロシア出身で身体能力抜群
「選抜高校野球・1回戦、阿南光11-4豊川」(19日、甲子園球場)
“飛ばないバット”でもシンに当てれば飛ぶことを証明した。八回1死一塁、豊川のモイセエフ・ニキータ外野手(3年)が、今大会から導入された低反発の新基準バットで大会1号2ラン。右翼ポール際へ消えた打球を指さしてダイヤモンドを回った今秋ドラフト候補は「シンで捉えれば飛ぶ。詰まると外野の頭を越えない」と分析した。
両親がロシア出身で自身は愛知県生まれ。握力は左右65キロのパワーを誇り、冬場はバット変更を踏まえスイング力を高める練習に取り組んだ。高校通算16本のうち、この試合の一発を含む2本は新基準バット。阪神・筒井スカウトも「日本人にない身体能力」と素材を絶賛した。「1号を打てたのはうれしいが、ほかの打席は吉岡君を捉えられず、チームも負けて悔しい」と5打数1安打3三振を反省。1号の誇りと悔しさをバネに夏はリベンジを果たす。