作新学院の江川2世が初戦敗退した一因に神村学園のタイムがあったか 無得点に終わった初回攻撃に隠れた秘密
「選抜高校野球・1回戦、神村学園6-3作新学院」(22日、甲子園球場)
怪物・江川卓2世との呼び声が高かった作新学院の最速147キロ右腕、小川哲平投手(3年)が5回5安打6四死球4失点で初戦敗退した。魔物が棲むと言われる甲子園だが、本調子を発揮できなかった理由のひとつに、神村学園の指摘があったのではないだろうか。
初回2死満塁。6番・上川床がファウルでカウント0-2となったところで、一塁側の神村学園ベンチから伝令が球審のところに駆け寄った。身ぶり手ぶりを交えたやりとり。球審からの答えを聞くと丁寧に帽子を取ってベンチに戻り、小田監督に回答内容を伝えた。指揮官も球審に向かって人さし指と親指で丸を作ってを「OKなんですね?」と確認する場面があり、マウンド上の小川はその一部始終を眺めていた。
小川はセットポジションに入り、投げる直前まで右手に持ったボールを何度もグラブの内側にぶつけるしぐさを繰り返していた。
公認野球規則5.07には「ボールを両手で身体の前方に保持し、完全に静止しなければならない。審判員は、これを厳重に監視しなければならない。投手は、しばしば走者を塁に釘付けにしようと規則破りを企てる。投手が“完全な静止”を破った場合には、審判員は、ただちにボークを宣告しなければならない」と記されており、伝令のしぐさからしても、神村学園は完全に静止してないのではという主張だったと考えられる。
この回は無得点に抑えた小川だったが、二回以降は明らかに同様のしぐさが減っていた。二回に先制を許すと、三回にも1失点。五回にも2失点して交代を告げられた。立ち上がりから直球がシュート回転し、捕手の構えた位置とは逆球も多かった。ボーク宣告はされなかったものの、相手の動きが心の動揺につながった可能性は十分にある。
SNSでも「これボークじゃないんだ」「将来のある投手だから直すなら早い方がいい」「あの伝令の後から少し変わったよね」「セーフならこの敗戦から立ち直れるはず」「二段モーションが許されるようになったんだからこれもOKでしょ」といった反応が見受けられた。