センバツ 大阪桐蔭戦で審判員の心温まる秘話 西谷監督最多勝利のウイニングボール「持っておいて」選手から受け取らず
「選抜高校野球・2回戦、大阪桐蔭4-2神村学園」(27日、甲子園球場)
大阪桐蔭の西谷浩一監督が甲子園69勝目を挙げ、歴代単独1位に立った。
九回は、1点を失うも最後は五回から登板していた中野大虎投手(2年)が遊ゴロに打ち取り、試合終了。ウイニングボールを手にしたのは、一塁のラマル・ギービン・ラタナヤケ内野手(3年)だった。
試合終了直後に、記録について思い出したというラマル。「前の試合で(歴代勝利数)タイだったので、それを思い出して」。整列の際は、これまで通り審判にボールを返そうとしたが「持っておいて」と、声をかけられ、ボールを右ポケットにしまった。
試合終了後に一度、指揮官へ記念球を手渡そうとしたというラマル。しかし、ベンチを引き揚げる直前でバタバタしており、「またあとでちょーだい」と声をかけられ、渡せなかった裏側を明かした。
試合後の取材では右ポケットから、記念球を取り出し、「このあと(西谷監督に)直接渡します」とはにかんだ。
尊敬する西谷監督の偉業達成に「さすがです」と笑顔。「チームをまとめるのがうまい。自分たちをやる気にさせてくれる。西谷先生が一番です」と誇らしげに笑った。