星稜、歴史動かした!背番号「18」戸田で石川県勢初の春4強 公式戦初先発で初完封
「選抜高校野球・準々決勝、星稜5-0阿南光」(28日、甲子園球場)
準々決勝4試合が行われ、4強が出そろった。星稜(石川)は阿南光(徳島)を破って石川県勢初の春4強入り。
特別な春に星稜が歴史の扉を開いた。石川県勢の悲願が懸かるマウンドに最後まで立っていたのは背番号「18」の2年生右腕・戸田慶星(けいた)投手。公式戦初先発初完封を果たし、偉業達成の立役者となった。
「点を少しでも取られていいやくらいの気持ちで投げていました。投げきれてうれしいです」。初回から2イニング連続で三者凡退に抑える完璧な立ち上がり。得点圏に走者を置いても力強い直球で押し切り、無四球で9つの0を並べた。
小学6年時にOBの奥川(現ヤクルト)の背中に憧れた。当時の試合映像を今でも振り返って見るほど星稜の野球に魅了され、同じユニホームに袖を通した。松井秀喜氏(元巨人など)、奥川でさえも成し得なかった石川県勢初となる春4強入り。「すごく光栄なこと」と胸を張った。
能登半島地震の被災地の思いを背負って戦う春。父・智茂さんの記録を超えた山下智将監督(42)は「何か見えない、背中を押してくれるような力がある。石川県が大変な中でたくさんのパワーをもらっています」と話す。被災地のためにではなく、被災地とともに-。石川の底力が星稜を頂点へと押し上げる。