今秋ドラ1候補の西川史礁 侍・井端監督の前で青学大3連覇へ開幕V打 阪神吉野スカウト「最後まで注目」
「東都大学野球、青学大1-0国学院大」(8日、神宮球場)
開幕し、3季連続優勝を狙う青学大が国学院大を下し白星発進した。野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督(48)が視察に訪れた中、今秋ドラフト1位候補の西川史礁外野手(3年・龍谷大平安)が決勝打を含むマルチ安打をマーク。阪神の吉野スカウトも好評価した。亜大は日大に先勝し、1月に就任した正村公弘監督(60)が初勝利。駒大は中大に逆転勝利し、同じく初陣の香田誉士史監督(52)が白星を挙げた。
ラストイヤーにかける思いをバットに乗せる。NPB12球団のスカウトや侍ジャパン・井端監督が熱視線を送る中での一打。西川が開幕戦で上々のスタートを切った。
「先攻だったので、先発の児玉に楽にマウンドに上がらせてあげたいという気持ちでした」
初回2死二塁で迎えた第1打席。初球から積極的にスイングすることが持ち味だが、2ボールからの低め変化球は「ゾーンを上げていたので捨てようと」と見送った。続く浮いたフォークは逃さない。フルスイングで三遊間にしぶとく転がし、先制V打をマークした。
3月には井端監督の下、侍ジャパンの欧州代表戦メンバーに選出され2安打1打点とインパクトを残した。指揮官が見守る中、六回にも内野安打でマルチ安打。「良いアピールができた」と笑みをこぼしつつ「誰が来ても自分のプレーをするだけ」と気を引き締めた。
井端監督は「どの投手でも初球から振れるというのは、なかなかできることじゃない。この1年でまた成長してほしい」と期待。今秋ドラ1候補として注目度が高まる中、阪神・吉野スカウトも「最後まで注目して見ていきたい」と評価し「守備範囲も見ていました」と言及した。
阪神は中堅のレギュラー・近本が今年30歳を迎えるなど、主力選手の後釜育成も常勝軍団を築くために必至だ。「次世代の軸になってくれる選手がありがたい」と吉野スカウト。戦国東都をけん引する主砲に今後も熱視線が注がれそうだ。
◇西川 史礁(にしかわ・みしょう)2003年3月25日、21歳。和歌山出身。182センチ、88キロ。右投げ右打ち。山野小1年時に「川辺ウィンターズ」で野球を始め、丹生中では「和歌山日高ボーイズ」に所属。龍谷大平安では2年春のセンバツからベンチ入りし8強。青学大では1年秋から出場し、3年春に最高殊勲選手とベストナインを獲得。大学日本代表に選ばれ、日米大学野球選手権の全5試合で4番を打ち優勝に貢献。3月には侍ジャパンの欧州代表戦メンバーに選出された。