日本ハム 無傷男に勝った借金危機また回避 五十幡起用に応えたV生還 新庄監督「0安打で勝ち、それを目指します」
「オリックス0-1日本ハム」(12日、京セラドーム大阪)
日本ハム・新庄剛志監督のタクトがさえ渡り、“無傷の男”に土を付けた。試合後のベンチ裏では勝ち切った選手の歓喜の声が響いた。指揮官は「よかったぁ~」と目を細め、思わず安堵(あんど)の表情を浮かべた。
オリックスの先発はデビューから8連勝と負け知らずだった東。ロースコアを予想した中で守備重視のスタメンを組み、「9番・左翼」に快足の五十幡亮汰外野手(25)を抜てきした。
五回まで無安打に抑えられたものの、六回1死でその五十幡がチーム初安打となる中前打を記録して次打者の2球目にスタート。二塁ベースに滑り込んだ際、タッチにきた遊撃・紅林と交錯。クラブからボールをはじき飛ばし、左翼方向に転々とする間に一気に三塁を陥れた。この場面で「当たった瞬間ね」と指揮官はすかさず、ゴロゴーのサイン。郡司の三ゴロ間に三走・五十幡が迷わず突っ走り、先制&決勝のホームに滑り込んだ。
投手陣は4人の継投で1点を死守。わずか2安打での勝利に「あんまコメントないな」と苦笑いを浮かべながらも、「0安打で勝ちって、あんのかな。あ、あるんですか。それを目指します」とご満悦だった。就任時から1点差で勝つ野球にこだわってきただけに自然と言葉も弾んだ。
今季4度目の借金危機を乗り越え、再び貯金1とした。新庄政権になって過去2年間、1度も貯金生活を送ったことがなかっただけに驚異的な踏ん張りだ。「本当にみんなたくましく見える」と指揮官。2年連続最下位からの下克上へこの1勝を弾みにしていく。