市場に出回った新基準バットに不適合製品混同発覚 今春センバツ出場校も使用 19日から使用停止

 日本高野連は18日、安全性を示す製品安全協会のSGマークの基準に適合しない新基準の低反発バットが市場に出回っていたことを明かした。

 今春から新基準の低反発バットが導入された中、XANAX、三共スポーツ、ハイゴールド、イソノ、ボルテカの5社の製品が不適合と判明。製品安全協会の菅寛隆氏は「全日本野球バット工業会から不適合バットが販売されているのではないかとの声が出た。適合検査を行ったときに不適合が判明した」と説明した。ブランド5社から委託製造していた株式会社SSプロダクトが、委託していた中国の工場で不適合製品が作られていた。

 打球部の肉厚は4ミリ必要であるとされる中、3.5ミリから3.6ミリと薄く作られていた。打球部の圧縮試験を行った時に1ミリ変位させるときの力が6000ニュートン以上であることが基準である中、不適合製品は5200ニュートンで変位。結果的に他のバットに比べて反発力が高くなっていたことが判明した。

 2022年9月の認証時には基準はクリアしていたが、23年9月の中国の工場で量産体制に入ってから仕様が異なっていた。製造した株式会社SSプロダクト・波多陽祐社長は「ご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございません。工場側が品質管理を甘く見ていたところがあった。自主回収を迅速に行う。認証を得た後に工場側が違った解釈をしてしまった」と謝罪した。

 製品安全協会はSSプロダクトにSG表示したバットの出荷停止を命じ、5社は自主回収を開始。菅氏は「(新基準バットの導入は)打球速度が速くなって投手が危険になるのを抑えるため。目的は達成していない。自主回収があると思うので速やかに応じていただきたい」と説明した。

 高野連は23年11月から加盟校に新基準バットを配布。その中にも不適合バットが混ざっており、配布したものや配布予定のものを合わせて約1万2000本中2510本が不適合の製品だった。今春のセンバツ出場校の中では5校で一部使用していたことが確認された。高野連は19日から不適合バットの使用を停止することを明かした。

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