日本ハム・北山亘基(こうき) 山本由伸そっくりのフォームでプロ初完封「きょうは勝てて“最亘基”」
「日本ハム2-0ロッテ」(20日、エスコンフィールド)
余力は残っていた。九回2死。日本ハム・北山亘基投手は最後まで衰えなかった152キロの直球で代打・角中を空振り三振に斬ると表情を崩した。「最後、三振で抑えたらカッコイイので」。最高の締めくくりで、今季2勝目はプロ初完投初完封。「プロの世界に入る上での1つの目標」を達成した。
お立ち台では「僕の下の名前は亘基(こうき)っていうんですけど、きょうは勝てて“最亘基”です」。“最高”な気持ちを自分の名をもじって表現した。
完封のヒントは、3日の楽天戦にあった。七回1死まで無安打10奪三振の好投だったが、連打を浴びて降板。この日は「強弱がつけられた」と振り返る。「怖いってところは出力を上げて。集中したところは投げきれた」。力を残しつつ、要所で7三振を奪った。
ニックネームは『教授』。広く知識を求め、その時々の自身の能力を的確に分析。将来像を逆算してトレーニングに励んできた。昨季は8月に登録抹消されたが「落ちた翌日から計画を立ててやってきた。継続性の中で順調にきている」。当時打ち立てた今季の将来像が、この日の姿だ。
今季から採用するフォームはドジャース・山本と見た目はそっくり。だが「モノマネではなく、自分の取り組みの中で行き着いた」と言う。「突き詰めていけば、精度も出力も安定して投げきれると想像してるので、貪欲にやっていきたい」。大投手になるための術を、教授は知っている。
◆北山 亘基(きたやま・こうき)1999年4月10日生まれ、25歳。京都府出身。182センチ、82キロ。京都成章、京産大を経て2021年度ドラフト8位で日本ハム入団。プロ初登板初先発はルーキーイヤーの22年開幕戦だった3月25日・ソフトバンク戦。プロ初勝利は同年4月6日・ロッテ戦。150キロ超の直球が魅力。