関大・金丸 熱投11回0封15K 省エネ投法で137球「きついとかなかった」 阪神など8球団視察
「関西学生野球、関大0-0同大」(5日、ほっともっとフィールド神戸)
1回戦2試合が行われ、関大は同大と延長十二回引き分けた。今秋ドラフトの目玉候補で最速154キロ左腕・金丸夢斗投手(4年・神港橘)が先発して11回4安打無失点15奪三振、137球の熱投を披露。NPB8球団のスカウトが視察する中、省エネ投球で新たな一面を見せた。近大は立命大に2-1で競り勝った。
最後まで金丸の球威は落ちなかった。援護点もなく、終始失点が許されない緊迫した状況で投げ続けても、疲労の色は一切なし。一級品の投球クオリティーを保ち続けたまま、延長十一回まで投げきった。
「余力を残していたのできついとかはなかったです」
四回2死まで一人の走者も許さない完全投球。ヤマ場は延長十回、中堅手が飛球を捕球ミスして1死三塁とサヨナラの危機を招いた。ここでも投手としての鋭い嗅覚を発揮。「今日のストレートの質的にバントも難しいだろうと思った」。スクイズを仕かけられたものの、低め直球でバットに当てさせず、三走をタッチアウトに。直後には右足に打球が直撃する強襲安打を浴びるも、治療を経て続投。タフネスさも武器であること示した。
この日最速149キロながら延長に入っても148キロを記録。最速154キロ左腕にしてみればこの球速でも省エネ投球だった。序盤から「リリースだけ意識して7割ぐらいで投げていました」とスタミナ配分はバッチリ。阪神、オリックスなど8球団のスカウトが視察し、DeNA・藤田スカウトは「力を抜いて投げて空振りを奪えるのは球質がいいということ。フォームのバランスもいい」とうなった。
「打ち取れるところは打ち取って三振を取れるところは三振を取ろうと思った」と左腕。首位チーム相手に言葉どおりの投球を見せつけた。