清原和博からかかってきた1本の電話「息子が大学から野球をやりたい、と」名伯楽・内田順三氏も驚く慶大4番・正吾の成長

 元プロ野球選手・清原和博氏の長男で、慶大・正吾内野手(4年)が主力打者として活躍している。中学はバレーボール部、高校はアメリカン・フットボール部に在籍しながら、大学では野球部に入部。小学生以来の野球で6年間のブランクがありながら、名門の4番を任されるまでに成長した。清原氏とは巨人時代にコーチと選手の間柄だった打撃の名伯楽・内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)に、正吾内野手の魅力を聞いた。

 ◇ ◇

 彼が慶大に入学する前、キヨから電話があってね。「息子が大学から野球をやりたい、と言っていまして。自分の指導が的を射ているか見ていただけませんか」ということだった。

 実際に練習を見たが、キヨはシンプルに教えていたね。「下半身で打て」、「体重移動をして力が入るところで打て」と。「ピッチャーに立ち向かえ」、「ピッチャーの圧力に負けずに受け身になるな」ということもしきりに言っていたね。

 高校はアメリカン・フットボールをやっていたということもあって、「大学の野球部が受け入れてくれるか」とも心配していた。慶大の堀井監督は同郷ということもあり知っていたから電話してみると、「入ることは全然構わないが、特別扱いはできないので、まずはBスタートになると思います。4年間、期待して育てます」ということだった。

 やっぱりブランクもあるからね。まずはB、いわゆる2軍で経験を積んで、4年間でAチームのメンバーに入れたらいいなと思っていた。それが名門の4番を打ち、結果も出ている。たくさんバットを振ったんだろう。「清原」の名前で打たせてもらっている訳じゃないからね。本当に素晴らしいよね。

 彼の良さは堀井監督も言っていたけど、やっぱり打球が飛ぶよね。あの身体能力、飛距離は親父譲りだね。「下半身で打て」とキヨが教えていた通り、シンプルに打っている。癖がなく、強く振っているよね。

 それに、ポジティブな性格もいい。話してみると明るく前向きで、いい育てられ方をしたのが分かる。大学で野球をするというのもキヨがやれと言ったわけでなく、彼が自ら覚悟を持ってやったこと。「野球が終わってもモデルになれるぞ」、なんて笑って言ったこともあるけど、本当に好青年だよ。

 キヨも客席の最前列で見て、嬉しさも伝わってくる。いい親孝行だよね。今後、さらにレベルの高いところでやれたらいいなとも思うが、今は先のことよりリーグ戦を無我夢中でやることが大事。技術どうこうでなく、今は前でボールを捕まえられれば飛んでいく。頑張ってほしいね。

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