大院大高春初V 97年秋以来の大阪制覇 履正社、大阪桐蔭“2強”撃破で一気頂点

 「春季高校野球大阪大会・決勝、大院大高4-1興国」(12日、大阪シティ信用金庫スタジアム)

 決勝と3位決定戦が行われ、大院大高が興国を下し、春の大阪大会初優勝を果たした。4回戦で履正社、準々決勝で大阪桐蔭と“大阪2強”を撃破した勢いに乗り、1997年秋以来、29年ぶりの大阪制覇を達成。阪神の畑山統括スカウトなど3球団が視察する中、今秋ドラフト候補で主将の今坂幸暉内野手(3年)が同点打を含む2安打と躍動してチームを頂点に導いた。同校は25日から明石トーカロ球場で行われる近畿大会に出場する。

 歓喜の輪の中で、大院大高・今坂は雄たけびを上げた。“大阪2強”を破って頂点まで上り詰めた今春で、強豪になるための礎を築いた。

 「最後1試合を全員で楽しもうと思ってやりました」。1点を追う四回1死二塁。低めのボールを巧みにすくい上げ、同点の右前適時打を記録。主将の一打で打線に火が付き、この回一挙4得点で勝ち越し。計10安打を放ち、ノーサイン野球を貫いて栄光を手にした。

 元“不良集団”の下克上劇だ。2023年の春から指揮を執る辻盛英一監督(48)は「ボロボロでしたね」と就任当時の様子を明かす。あいさつ、練習態度も悪く、学校では不良扱いされていたという野球部。到底、甲子園を目指すようなチームではなかった。

 転機は昨秋大阪大会3回戦・大阪偕星戦での敗戦。本気で日本一を目指すべく、主将の今坂は仲間に「変われ」と説き続け、少しずつ全員が同じ方向を向くようになった。年始には自分たちで決めた“決め事リスト”を監督に提出。練習前の校内周辺の清掃、人の目を見てあいさつすることをルールとした。この日のスタンドには部員以外の生徒の姿も多数。応援される集団へと生まれ変わっていった。

 大阪桐蔭、履正社を破ってつかんだ春の頂点だが、夢はまだ道半ばだ。「本番は夏だと思っている」と今坂。大院大高の時代はここから始まる。

 ◆私立大阪学院大学高等学校 大阪府吹田市に所在。1952年に関西経済学院商業高校として創立。63年から現校名になった。硬式野球部の甲子園出場は8強入りした96年春の1度。2018年夏は北大阪大会で準優勝。22年に室内練習場や外野人工芝のグラウンドがある総合スポーツフィールドが新設された。主なOBは元阪神・江夏豊、元中日・金子丈。

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