巨人・大勢 なぜ怪我が多いのか 評論家「腕を鋭く振れるタイプはどうしても負担がくる」改善策にも言及
巨人・大勢投手が「右肩の違和感」で4日に出場選手登録を抹消。最短10日での復帰はならず、ファームでの調整が続いている。
元巨人投手コーチで、デイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「まあすぐには無理だろうし、復帰したとしても起用法を考えざるを得ないだろうな。今季も3連投を避けるとか、首脳陣はかなり配慮している様子だったけどな」と語り、「今後は連投したら48時間空けるとか、移動日のゲームは投げさせないとか、そういったことも気にする必要があるかもしれない。抑えは今の安定感を見ればバルドナードでいいだろうな」と続けた。
ルーキーイヤーの22年は57試合の登板で37セーブ。だが、2年目は右上肢(腕および手)のコンディション不良で離脱し、14セーブに終わった。さらに、今年のキャンプでは右ふくらはぎ痛で出遅れ。そして、開幕から登板11試合で離脱と、けがの多さが目立っている。
ルーキーイヤーから大勢の投球フォームに懸念を示していた関本氏は「肩甲骨が柔らかいんだろうとは思うけど、腰の回転を使って、腕を鋭く鋭く振れるタイプはどうしても肩、肘に負担がくる。大学時代も肘のけがを抱えていただろう。1年目は57試合に投げたけど、今の様子だと年間50から60試合を何年も続けていけるようなタイプではない」と指摘した。
関本氏は大勢の意識にも変化が必要とし、「抑え投手に染みついているものだと思うけど、120%のパワーを出して抑えようとする。アドレナリンも出るんだろうけど、真っすぐとフォークの速さを求めて、しゃかりきに腕を振っているよな。もう少し、肩、肘に負担がかからないような球種が必要」とした。
かつて巨人でも抑えをしていた鹿取義隆氏の名前を挙げ、「同じサイドハンドでも鹿取とはタイプが違う。鹿取はゆったりとしたフォームだったけど、あれでも遠投は軽く100メートル投げていた」と、大勢にも緩急の必要性を助言。新しい球種を覚えることもひとつの手段とし、「横に滑っていくような緩い球がいい。90%くらいの腕の振りでもいいから、手首や指をうまく使って投げられたら、肩肘へのストレスがもう少し減るんじゃないか」と語った。