ソフトバンクは独走状態に入るのか 日本ハムは“待った”をかけられるのか 野田浩司氏の見解

 パ・リーグはソフトバンクが強い。早くも14個の貯金を作って独走態勢の気配すら見せている。追走する日本ハムの力は本物か?3連覇中のオリックスは?混戦のセ・リーグとは様相が異なるパの今後をデイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏が占った。(記録は5月16日現在)

  ◇   ◇

 ソフトバンクは投打にダントツの数字を残してますね。打線の強化で攻撃力が上がることは予想されたが、チーム防御率も他を圧倒している。リリーフ陣はモイネロが先発に回っているが、変わらずに安定感がある。こういうところにも強みを感じますね。

 36試合消化時点で14個もの貯金を作ったのだから、強いのは間違いないでしょう。ただ、この調子が1年間続くかとなると、それは分からない。追いかけるチームの出来にも左右されるだろうが、現状2位の日本ハムが着実に力をつけているのは確かだと思う。

 日本ハムは新庄監督がこの3年間でいろんなことを試し、多くの経験を積ませたことで、選手が少しずつ成長してきている。支配下選手のほとんどを起用。個々の特長をすべて把握した上で適材配置を行い、力を発揮させている。投手の配置転換や野手のコンバートにそれが見える。

 16日時点で7つの貯金を作っているのには、それなりの理由があるはずだ。攻撃面では走塁への意識。内野ゴロで1点を取るというように、少ないチャンスでも得点につながるような走りをしている。

 また現状、リーグ1位の「31」という盗塁数にもその意識は表れている。たまに一、三塁からのトリックプレーもやるが、相手に“何をしてくるか分からない”と思わせるだけでも効果的でしょうね。

 ディフェンス面では失策数の減少を挙げることができる。昨年はリーグ最低の94個でしたからね。現状は19個で決して悪い方ではなく、チーム改革は実を結んでいると言える。

 新庄監督が就任直後、真っ先に指導したのは外野手の返球でしたよね。打者走者らに余分な塁を与えないよう「高いボールは厳禁」と口を酸っぱくして教え込んでいた。

 野手としてまず大事にすべきは守備と走塁。その意識は現役のころから高かった。

 細かいプレーができるようになった今季は接戦を取れるようになっている。各選手がしぶとく粘り強い野球をするから、終盤に引っくり返す試合も出てきた。

 選手層が厚くなり、選手間競争が激しくなってきていることで、チームレベルが上がっているのが試合を見ていてよく分かる。ミスの多かったチームがスキのないチームを目指している。

 ソフトバンクから移籍してきた田中正義は“新庄マジック”ですっかり自信をつけているし、育成出身の福島が結果を出した。上沢が抜けた分は山崎で十分埋まっている感じ。投手力は結構安定しており、ソフトバンクを追走する力はあると思う。

 日本ハムとすれば、福岡でのソフトバンク戦3連敗が痛恨で、それが今のゲーム差に表れているね。

 まだ開幕して40試合足らず。今後、本来の調子が出ていないオリックスも含めて“ソフト1強”状態にはならないと思うのだが、どうでしょうか。リーグを盛り上げるためにも競り合いを期待したいですね。

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