「ＤｅＮＡ３－２中日」（１８日、横浜スタジアム）

　打球の行方を見届けながら、ゆっくりとダイヤモンドを走り出した。打者顔負けの“確信歩き”。二回２死一塁、ＤｅＮＡ先発の中川颯がプロ初本塁打となる右越え２ラン。左腕・松葉の初球カーブを右翼席中段まで突き刺す驚愕（きょうがく）のアーチに、スタンドは興奮のるつぼと化した。

　オープン気味のスタンスから、高く右脚を上げる豪快な打撃フォーム。フルスイングのフォロースルーは、ドジャース・大谷にそっくりだ。中川は「バットを寝かせていたんですけど、自主トレのときに大谷さんのバットを立てているイメージでやってから良い感じなので、ちょっと参考にしています」と照れくさそうに話した。

　もともと打撃センスには定評があった。母校・桐光学園では「４番・投手」で通算２６本塁打をマーク。横浜スタジアムでのアーチは、高校時代以来の一撃だ。ベンチに戻ると、牧のおなじみ本塁打パフォーマンス「デスターシャ」を控えめにポージング。「ちょっとやってみたかった」といたずらっぽく笑った。

　投げては６回２失点で今季２勝目。前週の阪神戦では３回９失点で降板し失意にうなだれたが、この日は投打の主役だ。三浦監督も「二刀流だね」と絶賛した。