巨人・戸郷 史上89人目ノーノー 甲子園で巨人投手は沢村栄治以来88年ぶり「最高ですね」

 「阪神0-1巨人」(24日、甲子園球場)

 巨人の戸郷翔征投手(24)が阪神戦で無安打無得点試合を達成した。昨年9月にオリックスで山本由伸(現ドジャース)がマークして以来、史上89人目(通算101度目)の快挙。セ・リーグでは2022年にDeNAで今永昇太(現カブス)が達成して以来42人目(45度目)。巨人では18年の山口俊以来。甲子園で巨人投手によるものは、史上初めて達成した1936年の沢村栄治以来、88年ぶりとなった。

 笑顔満開の戸郷と対照的に、阿部監督の声は震えていた。「なんか…泣きそうになっちゃった」。新生巨人のエースと信じ、開幕のマウンドを託した。プロ野球史上89人目、通算101度目の無安打無得点。見る者の心を奮わす投球だった。甲子園球場での阪神戦では、1936年の沢村栄治以来88年ぶりの快挙だ。

 「やっと緊張から解き放たれました。最高ですね。最後はちょっと焦りましたが、なんとか抑えられて良かったです」

 試合後、偽らざる胸中を明かした。大記録を意識したのは「七回」。頭の片隅にはあったが、「意識したらアカン…」と言い聞かせた。冷静さを保とうする自分に対し、ソワソワとし始める周囲。「誰も来てくれなかったんでね、寂しいなと思いながらです」と笑わせたが、好守で助けてくれたバックにも感謝した。

 最終回に最速152キロを計測。決め球には「宝刀」フォークを使う中で、この日はスライダーが生きた。近本、中野に苦手な木浪と左の巧打者が並ぶ中、「バックドア」の外スライダーを有効活用。20日、ダルビッシュが日米通算200勝を達成した。WBC期間中は合宿から助言を仰ぎ、教わった球種でもあった。「僕も目指したい」と先輩の背中を追う決意を固めた中、“ダルスラ”で大偉業を成し遂げた。

 甲子園でのノーノーも65年10月2日・外木場義郎(広島)以来59年ぶりの快挙。外木場、沢村…大エースの名前に「スゴッ…」と驚きながらも、「やっと、徐々に実感が湧いてたというか。最高な瞬間でした」と笑った。チームの連敗を4で止め、今季も2敗1分けと苦手にした「鬼門」での1勝。巨人の新エースを証明する123球だった。

 ◆戸郷 翔征(とごう・しょうせい)2000年4月4日生まれ、24歳。宮崎県出身。187センチ、84キロ。右投げ右打ち。投手。中学2年時から投手を始め、聖心ウルスラ学園で2年夏に甲子園出場。18年度ドラフト6位で巨人に入団。19年9月21日のDeNA戦でプロ初登板、初先発。同27日の同カードでプロ初勝利。昨年まで通算43勝27敗。

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