巨人・戸郷 幼少期から憧れていた伝統の一戦でノーノー 「甲子園っていうのが縁を感じます」
「阪神0-1巨人」(24日、甲子園球場)
巨人の戸郷翔征投手(24)が阪神戦で無安打無得点試合を達成した。巨人では18年の山口俊以来。甲子園で巨人投手によるものは、史上初めて達成した1936年の沢村栄治以来、88年ぶり。
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最後の1球は投げる前から決めていた。中野に対して1-2から4球目。「一番の持ち味である球と決めていた」と、低めに制球されたフォークで空振り三振。ナインのウオーターシャワーを心地よく浴びた。巨人-阪神。伝統の一戦には幼少期から思い入れがあった。
宮崎県都城市出身。父に連れられ、巨人のキャンプに足を運ぶのが楽しみだった。ファンの列に並び、サインをもらってプロになると決めた。「いろんな人にもらいましたけど、亀井さんのサインはまだ飾ってありますね」。実家にあるコレクションが宝物だ。強い巨人の選手が好きだった。
2月のキャンプ。あの日の自分を見るように、毎日、即席サイン会を開いてペンを走らせた。「甲子園っていうのが縁を感じます」。夢見た聖地で、憧れた伝統の一戦。回を追うごとに高まる声援が力になった。「多少、報われたかな。また、いろんな記録に挑戦したいです」。ヒーローはニッコリと笑って、次なる戦いを見据えた。(デイリースポーツ巨人担当・田中政行)