「広島２－８オリックス」（３０日、マツダスタジアム）

　逆転劇を呼び込む１５球だった。オリックスのドラフト６位・古田島（日本通運）がプロ初勝利をマークし、デビュー戦から１５試合連続無失点を継続。苦しいブルペン陣で“奮投”する背番号９７にとって、忘れられない一日となった。

　「本田が勝ち投手と思っていたので、あっ！！そうなんだと思いました」

　２点を追う六回から登板。先頭の坂倉には右前打を許したが、続く宇草、石原、代打・林に全て決め球に直球を投じ、凡打に仕留めた。テンポ良くアウトを重ねた後、福田の右前適時打で１点差に詰め寄り、太田が塁上の走者を一掃させるタイムリーを右前に運び、一気に逆転に成功した。

　成龍の名前はアクションスターのジャッキー・チェンの漢字名から。母親が大ファンで古田島も「『酔拳』が一番好きです」と明かす。幼い頃から、龍の字から「ドラ」と呼ばれ「物心ついた時から自分は“ドラ”だと思って生きてきたので」。辰（たつ）年にドラが躍動中だ。４月３０日に誕生した第１子の長女、愛妻とのテレビ通話が最大の癒やし時間だという。

　チームは昨季から続く同一カード３連敗なしを継続し、連敗を「４」で止めた。中嶋監督は大敗した前夜を思い返しながら「今日、やり返すっていうのはすごく大事だと思っていました」とナインの奮起にうなずいた。３１日からは本拠地・京セラドームでの中日戦。良い勢いを持続させていく。

　◆古田島　成龍（こたじま・せいりゅう）１９９９年６月２９日生まれ、２４歳。茨城県出身。１７５センチ、８５キロ。右投げ右打ち。投手。取手松陽、中央学院大、日本通運を経て２３年度ドラフト６位でオリックス入団。プロ初出場は２４年４月６日・ロッテ戦でリリーフ登板。名前の「成龍」は、母親が大ファンだというジャッキー・チェンの漢字名から。