巨人・立岡 722日ぶりタイムリーで3連勝2位浮上に貢献 九回守備で重傷悪夢よぎった「克服するしかない」
「西武1-4巨人」(31日、ベルーナドーム)
九回1死。ボールを追う巨人・立岡宗一郎外野手の脳裏に悪夢がよぎった。打者は“あの日”と同じ外崎だった。「フライが来た時はドキッとはしましたけど…克服するしかないんでね」。ガッチリと捕球した。22年6月9日の左膝前十字靱帯(じんたい)損傷から722日。同日以来のタイムリーで再スタートを切った。
2点リードの四回無死一、三塁。打席に立った立岡は「芯で捉えたら間を抜けるって、楽に考えました」と前進守備の三遊間を抜いた。貴重な追加点は立岡にとっても特別な1本。「やっぱりここで野球をしないと…」と言い、言葉をのんだ。
試合前、右中間に向かい、目を閉じた。「ちゃんと、あいさつをしました」。2年前、九回の右翼守備で飛球を追い、中堅の丸と交錯した。立ち上がることもできず、担架で途中交代。再建手術を受け、長くリハビリ生活を過ごした。
5月21日の支配下復帰後は、攻守で屋台骨を支える。阿部監督も「ここぞでやってくれる選手。打席をたくさんあげたい」とし、打率こそ高くはないが「仕事をしっかりしてる分、我慢します」と全幅の信頼を置く。3連勝で貯金4。2位浮上。新風を吹かせるチームに、苦労人のベテランが欠かせない。