元阪神・北條 苦しむ古巣にエール「最後に勝つと思って信じている」三菱重工West都市対抗出場

 本大会出場が決まり、笑顔を見せる三菱重工West・北條(撮影・北村孝紀)
 5回、2点適時打を放ち、ベンチの称賛に応える三菱重工West・北條
 5回、右中間へ2点適時二塁打を放つ三菱重工West・北條
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 「都市対抗野球・近畿地区2次予選・第3代表決定戦、三菱重工West6-2日本製鉄瀬戸内」(6日、わかさスタジアム京都)

 三菱重工Westが日本製鉄瀬戸内に6-2で勝利して4年連続40回目となる本大会出場を決めた。昨オフに阪神から戦力外通告を受け、今年から加入した北條史也内野手(29)は「3番・二塁」で先発出場し、2点適時二塁打を放つなどして躍動。苦戦が続く阪神の動向にも注目しており、古巣の元同僚たちにエールを送った。

 北條は満面の笑みを浮かべて歓喜の輪に加わった。加入1年目でつかんだ都市対抗本大会への切符。元プロの肩書にかかる重圧をはねのけ、執念で快音を鳴らした。

 「緊張感は毎日あったのでホッとした。僕が入って今まで(本大会に)出られていたのに、出られないというのは嫌だった」

 1点リードの五回2死一、二塁。追い込まれながらも流し打ちで痛烈な打球を放ち、右中間への2点適時二塁打をマークした。塁上では激しく雄たけびを上げてガッツポーズ。「プロでもあんまりしないぐらいやったので。楽しかったです」。プロとは違い、敗者復活制度はあるもののトーナメント形式で行われる都市対抗野球予選。独特な雰囲気を一身に感じ、思わず感情がはじけた。

 昨オフに阪神から戦力外通告を受け、社会人に舞台を移して第二の野球人生を歩む北條。大会期間中でも古巣の状況は逐一、気に留めていた。阪神は楽天に3連敗を喫し、貯金は「0」。画面越しに苦戦する仲間を目にしていた。

 「見てますよ。見られるときは。僕は最後に勝つと思って信じている。今は苦しい時ですけど、苦しい時を乗り越えて最後にあの時があったからと言えるようなシーズンになると思っている。信じています」

 11年間在籍し、1軍出場はなかったものの昨季のリーグ優勝を選手として経験した。「僕はもう応援する側。僕はノンプレッシャーなので信じて見ているだけです」。同じ時間を過ごしたからこそ、元同僚たちの底力に期待した。

 チーム内では既に「ジョーさん」と慕われ、すっかりチームにも溶け込んだ。「レベルもプロと変わらないし、甘く見て入ってきていない。必死にやっていきたい」と今は目の前の一戦に全てを懸けている。本大会は7月19日に東京ドームで開幕。「1試合、1球に気持ちを入れて勝つことだけ考えていきたいです」。元虎戦士が社会人野球最高峰の舞台で再び輝きを放つ。

 ◇北條 史也(ほうじょう・ふみや)1994年7月29日生まれ、29歳。大阪府出身。177センチ、80キロ。右投げ右打ち。内野手。光星学院(現・八戸学院光星)から12年度ドラフト2位で阪神入団。15年5月28日・楽天戦(甲子園)に代打で1軍初出場。23年10月に阪神から戦力外通告を受けて三菱重工West入団。NPB通算455試合で打率.255、308安打、18本塁打、113打点。

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