ヤクルト・高橋奎 渾身7回1失点 石川の完封に刺激「いい流れをつなげられて本当によかった」
「ヤクルト3-1西武」(6日、神宮球場)
最後はギアを上げた。ヤクルト・高橋奎二投手が渾身(こんしん)の直球で最大のピンチを脱し、強く拳を握った。心ないコメントを力に、先輩・石川の快投を刺激に投げ抜いた7回1失点。「いつも『高橋が流れを止める』とよく言われるので。いい流れをつなげられて本当によかった」。笑顔の2勝目だ。
六回までは圧巻の投球。暗転したのは七回だ。いきなり二塁打を許すと、課題のセットポジションで2四球。無死満塁に「情けない」と唇をかんだが、すぐに切り替えた。岸を三振に斬って取るなど、併殺崩れの1失点にしのぎ切った。
テレビの中に見た姿に、奮い立った。2日の楽天戦で石川が完封勝利。高橋奎がまだ故障がちだった頃、トレーニング方法やジムを紹介してもらった“恩人”でもあり、「石川さんがいなかったら、今もまだここにいないかな」と感謝する先輩の勝利に刺激を受けた。二回の打席では自身のバットが折れ、急きょ石川のバットで放った4試合連続安打が先制点につながった。「今日みたいなピッチングができるように練習していきたい」。勝利のバトンはつながった。高橋奎が胸を張った。