ヤクルト・サイスニード 12球団開幕投手“最遅”勝利「ショウリ、ダイスキー」粘りに粘った6回1失点

 「ヤクルト6-3日本ハム」(8日、神宮球場)

 試練を与え続けた神が、懸命に前を向き続けるヤクルト・サイスニード投手にようやくほほ笑んだ。初の開幕投手という大役から10度目の挑戦でつかんだ今季初勝利。「ショウリ、ダイスキー」。苦しかった日々が報われていく。12球団の開幕投手“最遅”となった始まりの1勝だ。

 序盤から日本ハム打線に何本も痛打されるが、要所は最後まで締めた。三回に万波にソロ本塁打を浴びて先制こそ許したが、ピンチを背負っても生還は許さない。強い気持ちが、投じる白球に自然と乗り移った。

 直近2試合はいずれもリリーフがつかまり、勝利投手の権利が消滅。5月4日の中日戦では追いつかれた木沢から直接謝罪を受け、「気にしなくて良いよ」と声をかけた。先発、中継ぎと役割は違えど、勝利への思いは同じ。「誰よりもあの場面でアウトを取りたいのは本人」と痛いほどわかる気持ちに、助っ人は寄り添った。

 なかなか恵まれない白星だったが、スタンスは最後まで変わらない。「運があることを信じて、ピッチングしたい」。6回5安打1失点でつかんだ待望の白星。視界が開けたら、あとは進むだけだ。

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