オリックス・佐藤「前後裁断」で朗希、宮城といつか
「巨人1-4オリックス」(9日、東京ドーム)
190センチ、97キロの“オリの巨人”が、巨人を制圧だ。オリックス・佐藤一磨投手が5回1安打無失点でプロ初勝利。育成出身のプロ初登板初先発巨人戦白星は史上初の快挙。「一人一人必死に、全力で一球一球投げました」と無我夢中で挑んだ。
試合前は緊張していたが、マウンドでは冷静だった。許した安打は初回のヘルナンデスの二塁打のみ。神奈川県から観戦に訪れた両親に雄姿を届け「そこが一番。ウイニングボールは家族に渡したい」と胸を張った。
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メンタルの成長が佐藤の投球に自信をもたらしている。大切にしているのは「前後裁断」の意識だ。昨季途中まではボールが抜けたり、打たれたりするたび「次も抜けちゃうんじゃないか」、「ダメかもしれない」とネガティブな発想になることが多かったという。
そんな時、師事するメンタルトレーナーから「今日悪かったから明日悪いわけじゃないよ」と指摘された。その後はポジティブ思考に切り替える“訓練”を実施。次第に変化を実感した。弱気な自分から脱却したことで、1軍初先発でも堂々の投球を披露できた。
佐藤には野望がある。「同級生には宮城や佐々木朗希がいて、すごいというか尊敬ですよね。いつか彼らに追いつきたいし、一緒に戦いたい」。先を行く同学年に負けじと左腕を振り続ける。(デイリースポーツ・オリックス担当・関谷文哉)