GHQ占領下の甲子園 外壁覆うツタ英語の看板、標識など未公開写真見つかる
甲子園球場が終戦後、連合国軍総司令部(GHQ)に占領されていた時期とみられる未公開写真9枚が見つかったことが15日、分かった。米兵が撮影した写真とみられ、ツタに覆われた特徴的な外壁や、「KOSHIEN」と書かれた看板もあった。米国の写真家が4月、神戸市文書館に寄贈。甲子園は8月で開場100年を迎える。
甲子園を運営する阪神電気鉄道(大阪市)も占領期の写真は所蔵していないという。球場に隣接する甲子園歴史館の担当者は「見たことがない写真でとても貴重。野球だけにとどまらない近代史の史料と言える」としている。
1924年に開場した甲子園は44年から日本軍が軍事施設として利用。終戦後の45年10月からは米軍が接収し、兵舎や酒場、米兵向けの体育学校などに使われた。グラウンドや観客席は47年に返還され、高校野球やプロ野球も開催されたが、一部は米軍による接収が54年3月まで続いた。
寄贈したのは米カンザス州の写真家ランディ・ウェントリング氏。知人が米国内で購入し、その後ウェントリング氏が譲り受けた。
原爆投下直後の広島などが収められていたことから今年1月、原爆資料館(広島市)に相談。資料館の学芸員が甲子園の写真を見つけ神戸市文書館に連絡し、その後、ウェントリング氏が文書館に寄贈した。撮影者は分かっていない。
甲子園の歴史に詳しい専門家は、撮影時期をバックスクリーンやグラウンドの整備状況などから47年春ごろとみられると分析。「KOSHIEN STADIUM」と書かれた外壁の看板が写った写真もあった。制限速度をマイルで示した英語の交通標識も確認でき、占領下であった当時の様子がうかがえる。
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