ドラ5石田裕 父の前で“マダックス”に「出来過ぎ」DeNA連勝なのに4位転落も首位に3差
「西武0-5DeNA」(16日、ベルーナドーム)
父の日に最高の贈り物になった。DeNAのドラフト5位・石田裕太郎投手(中大)が、4安打無四球でプロ初完封勝利。チームを今季初の7連勝に導き、「まさか最後まで投げきれるとは。出来過ぎです」と表情を緩めた。
終わってみればわずか95球。100球以内で完封する「マダックス」だった。
「5、6回ぐらいを目標にしていた。七回ぐらいにキャッチボールをしていて球数がいってないことに気付いた」。多彩な変化球を駆使し、足の上げ方を工夫してゾーンに投げ込んだ。西武打線の2巡目は変化球を増やし、3巡目は打者の反応を見て投げた。三浦監督は「テンポよくストライク先行で低めにボールを集められる。四球を出さず粘れる。空振りも取れる。大したもんですよ」とルーキーに最大級の賛辞を贈った。
前回登板の9日・ソフトバンク戦(横浜)でプロ初登板初勝利を挙げたその日、父・幸昌さん(50)は病気で入院中だった。ベイスターズの大ファンの父は無事退院し、この日は球場へ駆け付けた。
少年時代に朝5時から練習に付き合い、構えたところへの球しか捕ってくれなかった父と磨いた制球で、球団新人では2008年の小林太志以来となる無四球完封を達成。「ちょっとでもいい姿を見せられればといつもより力が入った」と孝行息子は照れ笑いを浮かべた。