糸井嘉男氏 注目は新庄監督率いる日本ハム「確実に新庄イズムが浸透している」万波は「これから爆発」21日からリーグ戦再開

 21日からリーグ戦が再開する。日本ハム、オリックス、阪神で活躍した糸井嘉男氏(デイリースポーツ評論家)がパ・リーグの展望を語った。

 -いよいよリーグ戦が再開します。

 「1チーム抜けてますから。5球団で束になって食い止めないといけないですね。交流戦でもソフトバンクは強かったですね。ファームに行ってしまいましたけど、阪神戦では笹川選手がプロ初ホームラン。またいいバッターが出てきましたね」

 -ソフトバンクの独走を止めるチームはどこでしょうか。

 「リーグ3連覇しているオリックスでしょう。開幕からケガ人が続出して、中嶋監督もやりくりが大変だと思いますが、投打にバランスが取れた実力のあるチームです。交流戦では7連勝もありました。森選手や山下投手など、ケガ人も徐々に戻ってきていますし、ここから本領を発揮してくれそうですね」

 -注目選手は。

 「ピッチャーは山下投手。ポテンシャル、将来性、全てにおいて群を抜いています。今年は山本投手が抜けて、宮城投手も離脱中です。山下投手は交流戦最終戦で復帰できたので、ここから先発陣の軸になってほしいですね。やっぱり軸となる選手がいるチームといないチームは違います」

 -バッターは。

 「西川選手です。交流戦前までは苦しんでいましたが、慣れ親しんだセ・リーグのピッチャーとの対戦で結果を残して調子を上げてきました。連勝した時もいいところで打っていました。僕も経験がありますが、リーグが変わる移籍1年目はホントに難しいものです。新しい環境に移ってモチベーションは高いのですが、初対戦のピッチャーばかりで…。データも確認しますが、打席で感じる球筋、変化はその通りではありませんからね」

 -糸井さんはパ・リーグからセ・リーグへのFA移籍を経験していますが、当時プレッシャーはあったのでしょうか。

 「もちろん感じていましたよ!まずはファンの皆さん、チームに結果で示さないといけないと思っていました。それに僕の場合はベンチの金本監督から睨みをきかされていましたし(笑)。今後はパ・リーグとの対戦に戻りますが、西川選手もピッチャーとの対戦を重ねて、夏場ぐらいには慣れてくると思いますよ」

 -他球団はいかがでしょう。

 「日本ハムでしょう。リーグ3位に付けていますし、就任3年目で確実に新庄イズムが浸透していると感じます。交流戦は負け越してしまいましたが、選手が自分の役割を理解してプレーしているように見えました。ブレーク中の水谷選手、あのスイングは魅力たっぷりですね。僕の大好きなタイプの選手です」

 -投打の注目選手は。

 「サチヤ(山崎)と万波選手ですね。サチヤはキャリアハイの成績を残しそうですし、移籍1年目からの大活躍ですから本当に頼もしいですし、チームを引っ張っていると思います。選手も負けられないという思いがあるはずです。チームにいい相乗効果をもたらしているように感じます」

 -万波選手も調子を上げていますね。

 「ポテンシャルを含めて素晴らしい。数少ない“守備でお客さんを呼べる選手”ですね。打撃の成績はまだまだ物足りないですが、これから爆発してくれるはずです」

 -オールスターまで約1カ月です。

 「楽天も交流戦で優勝して勢いがありますし、5球団はソフトバンクの独走を止めようと必死になって戦うと思います。少しでも差を縮めて後半戦を迎えたいですね」

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