オリックス・古田島 初登板から22戦無失点「怖いもの知らず」ドラ6右腕が偉業 次戦登板で新記録達成へ
「オリックス4-1西武」(23日、京セラドーム大阪)
背番号「97」の快進撃が止まらない。3点リードの八回2死。オリックスのドラフト6位・古田島(日本通運)が姿を現すと、スタンドは大きな歓声に包まれた。「準備をしてマウンドに上がることができた」。山野辺を145キロ直球で投ゴロに仕留めると、大きく3度、右手でグラブをたたいて雄たけびを上げた。初登板から22試合連続無失点。24歳のルーキー右腕がプロ野球記録に並んだ。
「めちゃくちゃうれしいです」。勝利後のお立ち台で素直な思いを口にした。記録に王手をかけた15日・ヤクルト戦(京セラ)から登板機会がなく、「そわそわしていた」というこの1週間。重圧を見事にはねのけて、2021年の広島・栗林、22年の楽天・宮森に並ぶ偉業を成し遂げた。
活躍の要因を「気持ち」と言い切る。上背は175センチと決して大きくないが、強気にストライクゾーンへ150キロ台の直球やチェンジアップで攻める。「怖いもの知らず。いい意味で開き直れている」姿勢で勝ち継投の一角を担う。
日本通運時代から専門家に学ぶメンタルトレーニングを生かしている。過度の緊張を制御するために心の中でつぶやいたり、声に出したりするセルフトークや呼吸法を実践。「マウンド度胸やメンタルの強さが抜けている」と厚沢投手コーチも舌を巻く。
次戦も抑えれば、新記録達成だ。「精いっぱい、一人一人抑えていきたい」と古田島。これまで通り強気に腕を振り、球史に新たな1ページを刻む。
◆古田島 成龍(こたじま・せいりゅう)1999年6月29日生まれ、24歳。茨城県出身。175センチ、85キロ。右投げ右打ち。投手。取手松陽、中央学院大、日本通運を経て23年度ドラフト6位でオリックス入団。プロ初出場は24年4月6日・ロッテ戦でリリーフ登板。名前の「成龍」は、母親が大ファンだというジャッキー・チェンの漢字名から。