巨人が珍事連発の広島戦で執念勝利 丸にライナー直撃、審判勘違い 大勢ヒヤヒヤ復帰即セーブ

 1回、若林は左前適時打を放ち笑顔を見せる(撮影・佐藤厚)
 1回、先制打を放ち菅野(左)に迎えられる岡本和(中央)=撮影・佐藤厚
 7回表の広島の攻撃前、山路球審(右)に投手交代を伝えるが、呼吸が合わず苦笑いする阿部監督(撮影・佐藤厚)
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 「巨人3-2広島」(30日、東京ドーム)

 巨人が接戦を逃げ切り、首位・広島に勝ち越した。初回、岡本和、大城卓、若林、小林の4連打などで3点先制。トレードで加入した若林が、移籍後初スタメンで初安打、初打点を記録。四回には中越え三塁打を放ち、マルチ安打をマークした。

 先発の菅野は六回途中、6安打1失点で6勝目(1敗)を手にした。腰痛を訴え、23日のヤクルト戦を緊急回避。16日の日本ハム戦以来の先発だったが、五回まで無失点と粘りの投球を見せた。3点リードの六回、1死一塁から小園に右前打を許したところで、阿部監督が交代を決断。2番手の高梨が坂倉に適時打を浴び、1点を返されたがリードを守った。

 試合はハプニング続きだった。初回、三塁走者・丸の右太もも付近に、岡本和が放ったライナー性の打球が直撃。苦悶の表情を浮かべ倒れ込んだ。打った岡本和も、心配そうな表情で見つめる中、何とか起き上がってプレーを続行した。

 さらに六、七回には2イニング続けて、巨人の投手交代を巡って審判団が混乱した。まずは六回、1死二、三塁で高梨が堂林を三振。ここで杉内投手チーフコーチがマウンドに向かった。広島は代打二俣を告げたところで、阿部監督がベンチを出て球審に投手交代を告げ、高梨がベンチへ戻ろうとした。

 だが、責任審判の川口一塁審判が4人の審判を集めて何やら協議。高梨はマウンドに戻された。結局、審判が巨人ベンチに謝る仕草を見せ、阿部監督も苦笑い。責任審判の川口審判員は「お待たせして申し訳ありません。ピッチャー交代させられないと勘違いしましたが、ピッチングコーチが帰ってないので交代させることができますので、ピッチャー交代致します」と説明した。客席からは「しっかりしろよ!」のヤジも飛んだ。

 一度投手コーチがマウンドに行った後、ベンチへ戻ろうとファウルラインをまたいだ時点で投手交代は認められないが、杉内コーチは戻っていなかった。

 さらに、七回には広島の攻撃で代打・大盛が登場。阿部監督は中川の交代を告げたが、山路球審がすぐに認めず。だが、すぐに阿部監督のもとへ戻り、交代を認めた。阿部監督は球審の肩をたたいて苦笑いしていた。

 試合は中川、ケラー、大勢と繋ぎ、リードを守った。大勢は右肩の違和感から復帰。この日1軍昇格し、復帰即の登板で2死満塁と苦しみながらもセーブをあげた。

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