プロ野球のマイナビオールスターゲーム２０２４（２３日・エスコンフィールド、２４日・神宮）のファン投票の最終結果が２日に発表され、パ・リーグは日本ハム勢が指名打者（ＤＨ）を除く９部門でトップとなり、万波中正外野手（２４）が両リーグ最多の１３１万４８３３票を集めた。阪神は才木浩人投手（２５）らリーグ最多の３人が各部門でトップ。セ・リーグ首位の広島やロッテ、楽天、オリックスからは選ばれなかった。選手間投票の結果は４日、監督選抜は８日の発表で、最後の１人を選ぶ「プラスワン投票」の結果が出る１７日にメンバーが出そろう。

　１２球団最多得票の万波を筆頭に、田宮、郡司、田中正が１００万票を突破。球団史上最多の９人の選出会見には、負傷の水野、感染症特例で抹消となった田中正を除く７人がズラリと並ぶ壮観な絵面となった。

　万波は最多得票に戸惑いの表情を見せた。「すごくうれしいなと思うと同時に驚きもありますし、なかなかそういった数字はないと聞いたので恐縮だなと思います」と率直な思いを述べた。

　昨年の球宴では２試合連続本塁打を放ち、２戦目ではＭＶＰを受賞した。「個人的には絶対ホームランを打ちたいと思うので、打てるように頑張ります」と話し、その先の目標を「もちろんＭＶＰじゃないですか、とりたいですね」と２年連続の戴冠を見据えた。

　他球団の選手と同じベンチに入って交流できることも球宴ならでは。それを「試合と同じくらい楽しみ。いい機会にはしたい」とし、「やっぱり近藤さん（ソフトバンク）にはいろいろ聞きたい」と横浜高、日本ハムでの先輩を指名した。

　開幕から捕手のレギュラーの座をつかんだ田宮は初出場。「去年までずっとファームでやっていたので、いきなり選ばれたのはすごいうれしい」とはにかむ。代名詞は「ゆあビーム」と呼ばれる強肩とシュアな打撃。「まずは顔と名前をしっかり他のファンの人にも知ってもらえるようなプレーができたら」と攻守で存在感を示す思いだ。

　９人の選出を、万波は「ありがたいですし、なかなかないことだと思う。不思議に感じます」と言う。「見て下さるみなさんを楽しませるプレーをしたいと思います」と約束した。

　◆過去の“球宴ジャック”　昨年の阪神も１９８３年巨人以来となる全部門独占（外野手２人選出されたため阪神は計１０人）。日本ハムは７８年にも９ポジション中８人選出されたが当時は組織票を疑われた。２００７年の楽天は１０部門中、７部門。１４年広島も９部門中７個を獲得した例がある。