ソフトバンク・リチャード なぜ1軍で活躍できない?名伯楽・内田順三氏の解説「カープの選手を思い出すね」

 ソフトバンク・リチャード内野手はなぜ1軍で活躍できないのか。2軍では4年連続の本塁打王だが、1軍では今季も15試合33打席に立ち、打率・226、0本塁打。くふうハヤテの打撃アドバイザーも務める名伯楽、内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)が、課題を解説する。

 ◇ ◇

 彼の打撃は実際にファームでも何度か見ているが、変化球への対応やインハイ、アウトローをいかに捉えるか、というところが課題になってくるだろう。そのためには、無駄な部分を省いていかなければいけないね。

 まず、大きく足を上げるのはいいが、腕も後ろに大きく引くものだから投手側から見た時に背番号が全部見えるくらい体が捻れている。トップの位置が隠れるように奥へ入ってしまうから、バットが外から出てくる。当然、バットも出にくいよね。パワーがあるんだから、もっと柔らかく、あそこまで力感は持たなくていい。

 確率を上げていくにはバットをインサイドアウトで出し、点ではなく線で打てるようにしなければいけない。どんなにいい打者でも全ての打席で完璧な打球なんてない。線で打てるようになれば、詰まったとしてもヒットになる打球も増える。練習から引っ張るばかりでなく、センター中心にフェードボールを打つように意識することが必要だね。

 彼を見ていると、カープの選手を思い出すね。かつて広島に斉藤浩行(81年度ドラフト2位)という、ずばぬけたパワーがありポスト山本浩二と言われていた選手がいた。だが、2年目にボールが目に当たった影響もあって、昼間の2軍戦ではホームランを打つけどナイターが多い1軍では実力が出ない。ファームでは敵なしで通算161本塁打、セパ関係なくこんなに打った選手はいないだろう。

 2軍では打つけど1軍で対応できない選手も見てきたが、メンタル面が影響している場合もある。2軍に落ちるかもしれないという恐怖心で、受け身に回って自分の打撃ができない。段々と与えられるチャンス、打数も減ってくるからね。

 1軍で活躍するには能力だけでなく、頭を使う「脳力」も必要だ。リチャードは山川に助言をもらい、フォームも似ている。その山川が若い時の姿をファームで見ていたが、当時はおかわり君(中村剛也)そっくりだった。真似から入るのはいいけど、リチャードもどこかで自分の形を作っていかないといけないね。パワーがあり素晴らしいものは持っているから、きっかけをつかんでほしいね。

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