「ＤｅＮＡ３－０中日」（１０日、横浜スタジアム）

　ＤｅＮＡエース東克樹投手が今季２度目の完封で開幕８連勝。球団では１９６８年の島田源太郎以来となる５６年ぶりの快挙だ。横浜スタジアムでの連勝も「１１」。球団新記録を樹立するとともに、斎藤雅樹（巨人）の持つプロ野球記録にも並んだ。

　プロ最多を更新する１２４球目。九回２死一、三塁、最後の打者・石橋をこん身のスライダーで空振り三振に斬った。球数が増え、実はここが三浦監督が交代のリミットだった。しかし、きっちり完封でゲームセット。東は「ストレートの力自体があったので、押していく中で変化球でかわしていく自分らしい投球ができた」と会心の笑顔をのぞかせた。

　記録ずくめのマウンドに、さすがに試合前は硬さが否めなかったという。女房役の山本が「めっちゃ緊張してるわ」と思わず漏らした。「自分へのプレッシャーをかけすぎていたのか、ふわふわした状態でマウンドに上がった」と東自身も振り返ったが、試合が始まれば抜群の安定感だった。

　前半戦のヤマ場となる９連戦でブルペンも休ませ、まさにエースの仕事。１７０センチと小柄な身体で腕を振る小さな大投手が、大混戦のペナントレースで存在感を際立たせている。