滝川にいた“村上2世”新井7回5失点粘投 打っても3打点の好素材2年生 虎スカウトも絶賛「フォームにクセがない」

 「高校野球兵庫大会・2回戦、神戸国際大付6-4滝川」(11日、明石トーカロ球場)

 神戸の進学校に来秋ドラフト注目株が出現した。滝川は第1シードの神戸国際大付に4-6で惜敗したが、プロ注目の最速150キロ右腕・新井瑛太外野手(2年)が7回8安打5失点(自責4)と粘投し、打っても3打数3安打3打点。視察した虎スカウトは好素材にうなり、阪神・村上頌樹投手(26)に姿を重ねた。

 偏差値65を誇る進学校に“村上2世”がいた。ここまで無名だった滝川の新井が春夏通算8度の甲子園出場を誇る神戸国際大付相手に投打で躍動。“二刀流”で強豪校に立ち向かい、場内の視線一身に集めた。

 「真っすぐが打ち込まれた。悔しいです」。先発して7回8安打5失点。この日最速145キロを記録した直球を狙い打たれたが、中盤は変化球中心の投球にシフトチェンジする器用さを披露。相手打者を押し込む場面も多くあった。打っても同点の二回2死満塁で一時勝ち越しとなる右中間への3点適時三塁打を放つなど3打数3安打3打点。類いまれな野球センスを発揮した。

 ネット裏には7球団のスカウトが視察。阪神の熊野スカウトは抜群の素材の良さに目を見張った。しなやかに腕を振る姿に「フォームにクセがない」と評価。身長178センチと大柄ではないものの、キレで勝負できる最速150キロ右腕。「村上のようなタイプ」と昨季MVP&新人王を獲得した阪神・村上に姿を重ねた。投手を始めてからまだ1年足らずと伸び代も十分。「順調に成長していけば来年のドラフト候補になってくる」と熱視線を送った。

 先輩との夏が終わり、「ここで終わりなのは悲しい」と唇をかんだ新井。春夏19度の甲子園出場も1980年を最後に聖地から遠ざかる。古豪のスーパー2年生が来秋ドラフト戦線をにぎわせるかもしれない。

 ◆新井 瑛太(あらい・えいた)2007年10月26日生まれ、16歳。神戸市出身。178センチ、78キロ。右投げ左打ち。外野手兼投手。小束山小1年から小束山少年団野球で野球を始め、多聞東中では明石ボーイズに所属して主に外野手。滝川では1年夏からベンチ入り。1年秋から投手を始めた。50メートル走6秒2。

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