千葉学芸2メートル右腕・菊地ハルンに日米10球団が視察 5回0封6奪三振 阪神3人態勢で熱視線

 「高校野球千葉大会・2回戦、千葉学芸5-2佐倉」(12日、船橋市民球場)

 千葉大会では、千葉学芸が佐倉を破り初戦を突破した。今秋ドラフト候補に挙がる身長2メートルの最速149キロ右腕・菊地ハルン投手(3年)が5回1安打無失点と好投。ネット裏では、阪神が3人態勢で視察するなど日米10球団のスカウトが視線を送った。

 しとしとと降り続ける雨の中、ロマンの詰まった長身を躍動させた。悪条件のマウンドを感じさせない安定感ある投球。菊地が無四球でスコアボードにゼロを刻んだ。

 初回先頭にいきなり中前打を浴び、「自分の甘さが出た。飛ばしていかないとと思いました」と火が付いた。ためを作って体が開かないよう修正し、以降は安打を許さず。この日の最速は142キロながら、直球、変化球ともに丁寧に制球して6三振を奪い「球が走っていて、後半は自分の投球ができた。納得できる投球」とうなずいた。

 打撃でも2打数2安打と貢献。四回に出塁し、三塁へ滑り込んだ際に左手首を痛めるアクシデントもあったが、治療後に五回も続投。試合後は「支障はない」と軽傷を強調した。

 5月に自己最速149キロを計測。体幹トレーニングに加え、走り方を見直し、登板前にダッシュ系のメニューを増やしたことが奏功したという。身長2メートル、体重103キロの恵まれた体格に高いポテンシャルを秘めた右腕の投球に、日米10球団のスカウトが注目。阪神の平塚スカウトは「体の使い方が柔らかい。おもしろい存在」と評価した。

 プロ入りを志す中、「この夏に懸けている部分はありますが、自分のためじゃなくて、チームが勝つためにやっていきたい」と菊地。勝負の夏に全力を注ぎ、高みを目指す。

 ◆菊地 ハルン(きくち・はるん)2007年2月21日、17歳。千葉県市川市出身。200センチ、103キロ。右投げ右打ちの投手。最速149キロ。幼稚園から野球を始め、市川市立第八中では佐倉シニアに所属し3年時に全国3位。千葉学芸では1年夏からベンチ入り。50メートル走6秒8、遠投92メートル。パキスタン人の父と日本人の母のもとに生まれた。

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