広島商4強!20番・花本躍動で猛攻10点コールド 名門で1年秋から試合出場「20番でもできることをしっかりと」
「高校野球広島大会・準々決勝、広島商10-1海田」(22日、ぶんちゃんしまなみ球場)
準々決勝4試合が行われ、広島商は海田を七回コールドで下し、3年連続の4強入りを決めた。「3番・右翼」でスタメン出場した花本航志外野手(3年)が、中前2点適時打を放つなど2安打2打点で勝利に貢献した。広陵は先発した堀田昂佑投手(2年)が5回2安打4奪三振無失点と好投。打線は13得点で総合技術に六回コールドで勝利した。準決勝は25日に広島商-尾道、呉港-広陵が行われる。
鋭い打球が芝生の上ではずんだ。リードを3点に広げる貴重な一打だ。四回、1点を勝ち越してなお1死満塁で放った中前2点適時打。花本は「(エースの)西川が粘って投げていた。1点を取りたかった」と充実感をにじませた。
3回戦の広島井口戦以来、2度目のスタメン出場。初回はチーム初安打となる中前打を放った。「1年生から出ている選手だし打ってくれて良かった」と荒谷忠勝監督(47)。起用に応える2安打2打点に目を細めた。
名門で1年秋から試合出場するものの、花本は今夏、背番号「20」を付ける。メンバー発表当日は、名前が呼ばれない時間を「怖かった」と振り返った。グラウンドに立てる喜びをこれまで以上に感じて臨む最後の夏。「1桁の番号を付けたかったけど、今は20番でもできることをしっかりとやりたい」。ベンチでは誰よりも声を出す。強い決意で臨んでいる。
3年連続での4強入り。昨夏は決勝戦で広陵に2-3で敗れ、甲子園出場を逃した。花本は試合出場なく、広陵ナインの歓喜を目に焼き付けた。チームとしても個人としても打倒・広陵に燃える夏だ。
荒谷監督は花本について「一生懸命にやり過ぎるところがある。楽しんでやればいい」と笑顔で背中を押した。20番は「チームが勝てるように頑張る」と前を向く。19年以来、5年ぶりの聖地まであと2勝だ。