横浜の“松坂2世”スーパー1年生 織田が4回完全救援「打たれない自信いっぱいある」 2年ぶり夏へ王手
「高校野球神奈川大会・準決勝、横浜2-1武相」(23日、横浜スタジアム)
神奈川大会では横浜が今春の県大会を制した武相にサヨナラ勝ちし、2年ぶりの夏の甲子園出場に王手をかけた。1年生の織田翔希投手が六回から2番手で救援し、4回パーフェクトの好投を見せた。向上に逆転勝ちした東海大相模と24日に決勝を戦う。
184センチの長身に、意志の強そうな眼差し。同点の六回、1年生右腕・織田が立ちはだかった。「自分が抑えて決勝に行こう、絶対に抑えてやると思って投げました」。強じんなマインドで腕を振り、4回を“完全投球”。背番号18の力投が、劇的なサヨナラ決勝進出を呼び込んだ。
「リズムをつくって、攻撃につなげる。良い仕事ができた」。織田は精かんな表情で手応えを口にした。プロ注目捕手・椎木の好リードにも導かれ、間の使い方やタイミングのずらし方も意識。堂々の投球でパーフェクトに抑えた。
上背から投げ下ろす直球は147キロをマーク。これまでの最速は146キロで、自己最速を更新した。村田浩明監督(38)は「また一段と球が良くなった。試合ごとに成長している」と16歳の底知れぬ伸びしろに目を細めた。
福岡県出身で、北九州市立足立中時代は軟式野球部に所属。「松坂大輔さんを超える投手になるのが、ひとつの目標」と名門・横浜のユニホームに袖を通した。「しっかり腕を振れていて、球威があれば打たれない。自信は、いっぱいあります」。大胆不敵なメンタルは、“怪物2世”の称号にふさわしい。
チームは昨夏の決勝で、全国制覇を果たした慶応に惜敗。当時は中学生だった織田も、決勝の舞台で上級生たちと無念を晴らすつもりだ。「絶対、この76人で甲子園に行く」。全部員の人数を口にした粋なルーキーが、2年ぶりV奪回へ燃えている。
◆織田翔希(おだ・しょうき)2008年6月3日生まれ。福岡県北九州市出身。足立小1年から野球を始める。小3から投手。足立中時代は軟式野球部に所属した。直球の最速147キロ、変化球はカーブとチェンジアップ。あこがれの投手は松坂大輔。184センチ、69キロ。右投げ右打ち。