「高校野球徳島大会・決勝、鳴門渦潮６－５阿南光」（２９日、むつみスタジアム）

　ノーシードから勝ち上がった鳴門渦潮がタイブレークの末にセンバツ８強の阿南光を下し、７年ぶり８度目の優勝を決めた。２点を追う延長十回、一死二、三塁から古住宗一郎外野手（３年）がセンターオーバーの同点の二塁打。続く森高祐吏内野手（３年）がセンター前へサヨナラ打を放ち、ドラフト候補の相手投手・吉岡暖（３年）を攻略した。

　「信じられません。こんな展開になって勝ちきるとは…」。森監督は優勝インタビューで目を潤ませた。秋と春は初戦で敗退。「岡田がよく投げてくれた。３点までと思っていたが、９回を３点でしのいでくれた」とエースで４番の岡田力樹投手（３年）の踏ん張りをたたえた。

　吉岡との投げ合いを制した岡田は「せっかく逆転してくれたのに（八回に本塁打で）追いつかれて、無茶アカンけど、すぐ同点にしてくれた」と仲間に感謝。２失策ながら最後に決めた森高は「とにかくつなごうと思った」と安どの表情を見せた。

　２０１２年に鳴門第一と鳴門工が合併してできた鳴門渦潮。主将の端村七聖内野手（３年）は「校名が変更になって甲子園で勝ってないのでまずは１勝。そして阿南光さんの分までベスト８を目指します」と誓う。「甲子園でも強打で勝ちます」と森高。吉岡を打ち崩した渦潮打線が、聖地で旋風を巻き起こす。