関東第一 春夏連続聖地決めた 春は初戦敗退「甲子園に忘れ物をしてきたので、取りに行きます」

 「高校野球東東京大会・決勝、関東第一8-5帝京」(29日、神宮球場)

 関東第一が帝京を8-5で破り、5年ぶり9度目の出場を決めた。

 勝った。優勝の瞬間、エースの坂井遼投手(3年)は口元を押さえ、感極まる。畠中鉄心投手(3年)は泣き崩れた。そんな中、主将・高橋徹平内野手(3年)ははじけるような笑顔。涙を落とした聖地へ、笑って帰る。

 「率直にうれしいです。プレッシャーをはねのけて、こういう結果が出たのかなと思います」

 今春公式戦で計16本塁打を放った帝京の重量打線に対して、徹底して低い打球を放ちつなぐ打線。犠打や進塁打、隙のない走塁と手堅い野球を展開し、高橋は2本の二塁打に2打点と躍動した。先発した畠中は5回4失点も、緩急を駆使して帝京打線を翻弄(ほんろう)。プロ注目・坂井は自己最速を更新する147キロを記録するなど4回1失点で試合を締めた。

 今春センバツでは八戸学院光星との開幕試合を延長戦の末に敗れた。高橋はタイブレークで手痛い追加点を与える悪送球。「自分のせいで負けた」と涙が止まらなかった。あっけない初戦敗退に、チーム全体が落ち込んだ時期も。「練習試合も勝てなくて、ぶつかったこともありました」と明かす。それでも、「持ち味の明るさを忘れず、真面目にやってきました」と笑顔は忘れず。5月に宮崎で行われた招待試合を全勝したことが“薬”となり、チームは自信を取り戻し始めた。

 一丸となってつかんだ春夏連続の聖地切符。高橋は力強く宣言した。「甲子園に忘れ物をしてきたので、取りに行きます」-。

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