大阪桐蔭・西谷監督「高校野球7回制」に異議あり 国際試合で経験も「野球は9回」「暑さは覚悟」

 日本高野連は2日、オンラインで理事会を開き、U-18の国際大会でも導入されている「7回制」について検討する「高校野球7イニング制に関するワーキンググループ」を設置したと発表した。高校野球界に大きな変革をもたらす動きが本格化する中、甲子園の監督通算勝利数最多の69勝を誇る大阪桐蔭・西谷浩一監督(54)は反対の姿勢を見せた。

 西の横綱を率いる名将が高野連の“改革”に異議を唱えた。大阪桐蔭・西谷監督は甲子園練習を終えた直後の取材で7イニング制導入について言及し、反対の姿勢を明確に打ち出した。

 「私個人としては9イニングやってもらいたいなと印象を持っています」。実体験があるからこそ言葉には重みがある。2015年の第27回U-18ワールドカップで日本代表の指揮を執り、7イニング制を経験。「(打席が)2回しか回ってこない子もいますし、先制されたら苦しくなるような感じもあった」と振り返った。

 9イニングで試合の流れが行ったり来たりすることも野球の醍醐味(だいごみ)の一つ。「9イニングあれば前半、中盤、後半とできる」と、試合展開の区分けも大きな違いが生まれてくるという。野球の根本が変わってしまうかもしれない改革案。「『野球は9回』だと思ってやっている。八回、九回はすごく大事」と終盤2イニングの重要性にも触れた。7イニング制は暑さ対策の一環でもあるが、「暑さは覚悟して準備してきている」と言い切った。

 「いろんな角度から話をしていくのはいいこと」と、断固拒否するつもりはない。高野連は次世代に高校野球をつなぐために気候変動や少子化への対応に懸命に尽力している。それも重々理解した上で、「現場の声も聞いていただきたい」と声を上げた。

 ◆報徳学園・大角監督(7イニング制の議論について)「進化していくことは必要だと思います。良い部分も、さみしい部分もあります。投手をつぎ込めたり、積極的な攻めはしやすいのかなと。報徳は昔から『ラッキー8』といって八回に何かが起こると言われていたので、そういう意味では新たな伝統を作らないといけない」

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