宮崎商が惜敗も地震の被災地を元気づける戦い 「粘り強い野球をしてくれた。よく食らいついてくれた」と橋口監督

 「全国高校野球選手権・1回戦、中京大中京4-3宮崎商」(10日、甲子園球場)

 宮崎商が逆転負けで2008年大会以来の甲子園勝利はならなかった。2点を追う六回に小倉の中越え適時三塁打などで同点。2-2の七回は、2死三塁で4番・上山の左前タイムリーで勝ち越した。しかし、その裏2点を奪われ再びリードを許した。

 遊撃手で試合終盤には抑え投手も務める中村が、七回守備で足をつるアクシデント。思い描いた継投ができなかった橋口監督は「ウチの展開というか、抑えは中村で。そこは悔いが残るゲーム。8、9回に中村という流れで考えていた」と振り返り「そういうのを含めて甲子園なので。私の力不足であり、もう一歩全国優勝チームに及ばなかった」と話した。

 8日夕方には宮崎県南部で最大震度6弱を観測する地震が発生した。その後のミーティングで選手らの家族に被害はなかったことを確認し「選手たちがそこで(被災に困る地元へ)意気にかんじてくれればと思いました」と橋口監督。惜しくも敗れたが、終盤の激しい攻防には甲子園のスタンドからも両軍の選手に大きな拍手が送られた。

 「勝利で盛り上げたいのが一番でしたけど、粘り強い野球を子供たちがしてくれたので、そういうのを見ていただいて、元気づけられればと思います」と言った指揮官は、「よく食らいついてくれた。最高のゲームをありがとうと言いたい」とナインをねぎらった。

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