早大がOBの社会人選手と対戦 “ミスター社会人野球”佐竹功年氏の引退セレモニー実施 小宮山監督が秘話明かす
今春の東京六大学野球リーグで7季ぶり47度目の優勝を飾った早大は10日、夏季キャンプを張る新潟・南魚沼市のベーマガスタジアムで、同校OBの現役社会人で編成する「稲門倶楽部」と対戦する「全早稲田戦」を行った。初開催の昨年に続き2度目の試みとなる。
今秋ドラフト候補の印出太一捕手(4年・中京大中京)が先制2ランを放つなど現役大学生が9-3で勝利。2-21で大敗した前年の雪辱を果たした。
社会人チームには茨城トヨペット、JFE東日本、Honda、鷺宮製作所、JR東日本、明治安田、トヨタ自動車、日本生命からコーチ、マネジャー、選手の総勢18人が参加した。トヨタ自動車で投手としてプレーし、今夏の都市対抗野球を最後に現役を引退した同校OB・佐竹功年投手(40)=トヨタ自動車=が、母校後輩の前で現役最後の登板をし、1回2失点。試合後には花束が手渡され、両チームから胴上げされた。
小宮山悟監督は「大学生にとっては社会人野球という厳しい環境下でプレーしている先輩の取り組みなどを吸収する場であり、昨年に続いて貴重な経験となりました」とコメント。佐竹氏については「(自身が)アメリカから戻ってきた1年、佐竹の大学時代を見るタイミングがあり、投げている様が良かった。ロッテに戻ってからはボビー(バレンタイン監督)に『ドラフトで獲得してほしい』と真剣に進言したほど。残念ながら上背がないという理由で受け入れてくれませんでしたが、私は当時から実力を高く評価していました。今後も日本の野球界のために尽くしてもらいたいと思います」と秘話を明かすとともに、ねぎらいの言葉を贈った。
佐竹氏は「引退した身ですし、早稲田の後輩に対して、失礼と迷惑のないように投げました。一選手に、ここまでしていただき、ありがたい気持ちでいっぱいです。改めて野球を続けてきて良かった。自分は早稲田に育ててもらったと思っています。(今後は)サラリーマンなので、自分で決めることではない。仮に野球のお話をいただいたときには全うできる準備だけはしておきたい。社会人として新しい立場になり、さまざまな勉強をしていきたいと思います」と話した。