岡山学芸館・丹羽が気迫で締めた 兄は19年に左頬打球直撃も次戦登板 不屈の魂受け継ぎ1回無失点
「全国高校野球選手権・1回戦、岡山学芸館1-0聖カタリナ」(10日、甲子園球場)
不屈の魂を受け継ぎ、上がったマウンド。1-0の九回に登板した岡山学芸館・丹羽知則投手(3年)が1回無失点で試合を締め「準備していたので、結果につながって良かった」と汗を拭った。
2019年夏、同じ舞台に立った兄を悲劇が襲った。同校左腕として初戦の広島商戦に先発した兄・淳平さんは打球を左頬に受け骨折。「当たったボールがそのまま入っているくらい腫れていた」と当時中学生の知則は衝撃を受けた。ただ、それ以上に驚いたのは、約1週間後の作新学院戦に兄が先発したことだ。結果は3回5失点で敗戦。それでも「鳥肌が立って、今でも忘れられない」。憧れの背中を追い、同じ高校に進学した。
兄の事故がきっかけの一つとなり、高野連は今春から低反発バットを導入。「どの学校も上からボールをつぶすように打ってゴロやライナーを意識している。低めの球を意識しています」と投球にも影響をもたらした。
この日の試合前には淳平さんから「ピッチャーライナーに気を付けろよ」と連絡があり、「オレは捕るよ」と冗談めかして返した。「言葉にすると恥ずかしいですが、一番の憧れ」。兄を超えるべく、次なる白星を狙う。