神村学園 中京大中京に逆転勝利 交流試合の“雪辱星” 今村、熱投134球2試合連続完投
「全国高校野球選手権・2回戦、神村学園4-3中京大中京」(15日、甲子園球場)
神村学園(鹿児島)が夏の甲子園最多の79勝を挙げる中京大中京に逆転勝利。グラウンドから一塁側横の通路へ下りる階段の手前で、中京大中京(愛知)の高橋源一郎監督(44)から右手を差し出された神村学園・小田大介監督(41)は「こらえられませんでした…」。敵将のぬくもりがまだ残るその右手で顔を覆うと、涙が止まらなかった。
この10年来、中京大中京と交流試合を続けてきたが「一度も勝ったことがなかった」という。大舞台での“リベンジマッチ”は五回までに2点のリードを許していた。クーリングタイムの10分間を使い「選手たちの“心の灯”を燃やすような言葉かけで活を入れました」。これで顔つきが変わった選手が六回、3点を奪って逆転すると、九回には「野球をやってきた中で一番の当たり」という入耒田華月外野手(2年)のソロ本塁打が飛び出した。
先発の今村拓未投手(3年)は134球を投げ抜き2試合連続完投。強豪校が次々と敗退する“波乱の夏”にも、小田監督は「これが甲子園。どこの学校も厳しい戦いを勝ち抜いてきている」。目指すは鹿児島県勢初となる夏の全国制覇。“次の感涙”を流す日は、もう心に決めている。