大社 107年ぶり夏2勝!乱の夏に公立校が新たな“神話” 延長タイブレークで創成館に劇勝
「全国高校野球選手権・2回戦、大社5-4創成館」(15日、甲子園球場)
2回戦4試合が行われ、大社(島根)が延長タイブレークの末、創成館(長崎)を下し、1917年以来107年ぶりとなる夏2勝を記録した。岡山学芸館は掛川西(静岡)を下し同校初の甲子園2勝を果たした。丹羽知則投手(3年)が甲子園初先発で公式戦初完封をマークし、顔面に打球を受けて新基準バット導入のきっかけとなった兄・淳平さん(22)に並ぶ16強入りを果たした。早実(西東京)のほか神村学園(鹿児島)も勝利した。
歴史的な勝利となった。延長タイブレークの激闘を制しての勝利。大社が1917年以来、実に107年ぶりとなる夏2勝を記録だ。石飛文太監督(52)は「今までのOBの方々、先人の方々の築き上げたものが…それを礎にして今まで戦ってきました。それがここで成就したということですので、感謝しかありません」と喜んだ。
磨いてきた小技が勝負どころで光った。2度追い付き、延長十回に2点を勝ち越し。終盤に2打席連続でスクイズを決めた園山純正内野手(3年)は「絶対に失敗しない自信があった」と誇らしげに話した。
まずは1点を追った八回1死二、三塁。園山はサインを確認すると「何が何でも決めてやる」と高めのボールに食らい付いた。体勢を崩して転びながら投前に転がし、同点とした。失策で勝ち越し点を得た直後の延長十回1死二、三塁に再び成功。この得点が1点差勝利に結び付いた。
石飛監督が攻撃面でバントを最重要視し、チーム全体で練習を重ねてきた。緊張感が高まる場面で「普段からやってきた構え方、膝の曲げ方を思い出して決めた」と園山。石飛監督は「一番練習してきたバントが今、強みになっている」と感無量の表情を見せた。
投げては先発の馬庭優太投手(3年)が、2戦連続の完投勝利で「最高の仲間とともにこれからも戦いたい」と声を張った。歴史の扉を開いた勝利とともに、次は同校初の1大会3勝を狙う。
◆大社 学校創立1898年の男女共学の県立校。校訓は「自主自立・敬愛互助・創造発展」。野球部は地方大会で第1回から皆勤出場を続ける伝統校。今大会は1回戦の報徳学園戦で63年ぶりとなる夏1勝を記録。所在地は島根県出雲市大社町北荒木1473。主な出身者には竹内まりや(シンガーソングライター)、江角マキコ(元女優)がいる。