広陵 プロ注目のエース高尾 救援登板5失点も自身4度目聖地で確かな成長「悔いなく終われた」
「全国高校野球選手権・3回戦、東海大相模8-1広陵」(16日、甲子園球場)
3回戦4試合が行われた。広陵は1点リードされた五回にエース・高尾響投手(3年)がリリーフ登板も5失点と、東海大相模に完敗。進路は今後の判断となりそうだが、プロ注目の右腕は確かな足跡を甲子園に残した。なお関東第一、青森山田、滋賀学園がベスト8進出を決めた。
初の夏頂点を目指した戦いが終わったが、エース・高尾の目に涙はなかった。「自分の中では悔いなく終われた」。世代を代表する好投手の、最後の夏が幕を閉じた。
1点ビハインドの五回1死三塁でマウンドへ。自身4度目の甲子園で初のリリーフ登板に苦戦した。交代直後から3連打を浴び、3点を失うと、六回にも3失点。1回2/3を7安打5失点で降板した。
アルプスでは母の美穂さんが声をからした。福岡出身の高尾。入寮してからは連絡を取る機会も限られていたが、確かな成長は聖地での姿で感じとっている。「昨年までは先輩たちに守られている感じがあったけど、今は後輩や仲間たちの思いを背負ってという気持ちが強くなったのかな」と目を細めた。
右腕とともにチームをけん引してきた主将の只石貫太捕手(3年)は試合後に号泣。「4回も(甲子園に)出場させていただいて幸せな高校野球人生だった」と真っ赤な目で話し、「みんなが支えてくれた充実した3年間だった」と仲間への感謝を口にした。
中井哲之監督(62)は「3-2、4-3ぐらいで勝つビジョンを描いていたが、なかなか難しい展開になった」と試合を総括。「全て監督の責任」と敗戦を一人で背負った。
高い総合力でプロから注目を集める高尾。今後については「社会人かプロか、まだ決まっていない」と明言を避けた。「この仲間と戦えたのは宝物ですし、大事にしたい」。晴れやかな表情で高校野球に別れを告げた。
◇高尾 響(たかお・ひびき)2006年5月22日生まれ、18歳。福岡県出身。身長172センチ、体重73キロ。右投げ右打ち、投手。小1年から軟式の土井ジャガーズで野球を始め、粕屋東中時は硬式の飯塚ボーイズに所属。広陵では1年春からベンチ入り。1年秋の神宮大会では準優勝。2年春のセンバツではベスト4。最速148キロ。