「甲子園で会おう」広陵・土居湊大が東海大相模・木村と果たした中学時代の約束

 「全国高校野球選手権・3回戦、東海大相模8-1広陵」(16日、甲子園球場)

 勝てなかった。しかし、大舞台で男同士の約束を果たした。広陵・土居湊大内野手(3年)は、試合後のあいさつで東海大相模・木村海達捕手(3年)と「ありがとう」と声をかけ合った。

 2人は広島・向陽中のクラスメート。軟式野球部だった土居に対して、木村は硬式のチームに所属し全国制覇するなど、注目されて東海大相模に進学した。「木村の方が力があって、ずっとあいつが目標だった。僕も高校では負けたくないと思っていた」と土居。中学の卒業式で「高校生になったら甲子園で会おう」と誓い合い、それぞれの道に進んだ。

 2年半後。運命に導かれるように2人はレギュラーとして甲子園に駒を進め、3回戦で顔を合わせた。土居は「対戦が決まった瞬間から、個人的な感情よりもチームとして東海大相模を倒したいと思った」と闘志をたぎらせたが、2打数無安打で得点に絡めなかった。自身春夏3度目の甲子園も、今大会は2試合ノーヒット。「広島大会からいい結果が出せず、投手陣を助けられなかった。相手の粘りに負けた」と涙が止まらなかった。

 木村の姿はやはり、まぶしかった。「初めての甲子園なのに落ち着いてプレーしていてすごい」。2人で戦った一戦を最高の思い出として胸に刻み、聖地を後にした。

 ◆土居 湊大(どい・そうた)2006年5月23日生まれ。18歳。180センチ、87キロ。右投げ左打ち。内野手。小3から軟式野球を始め、向陽中では軟式野球部で中国大会4強。広陵では2年夏に背番号「15」でベンチ入り。遠投105メートル。

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