早実敗退も甲子園沸かせた内野手5人シフトでの併殺 導いた1年生左翼・西村の冷静さ光る「レフト側に打っていたので右側に意識を」

 9回、早実は三塁の場面で1年生の左翼・西村悟志(19)を投手橫に置く内野5人シフトを敷いた(撮影・開出牧)
 9回、三塁走者の園山純正(5)のサヨナラの生還を阻止する早実・山中晴翔(撮影・開出牧)
 9回裏、早実が敷いた「内野5人シフト」。左端は左翼手・西村
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 「全国高校野球選手権・3回戦、大社3-2早実」(17日、甲子園球場)

 早実が延長11回タイブレークの末、サヨナラ負けで、この日観戦に訪れた日本ハム・清宮幸太郎を擁した2015年以来の8強入りはならなかった。

 それでも選手たちの懸命なプレーに聖地には勝者にも敗者にも大きな拍手が降り注いだ。中でも大歓声に包まれたのは九回。早実は同点に追いつかれ、なおも1死二、三塁のピンチで1年生の左翼・西村を投手横に置き、内野手5人シフトを敢行。打球はその左翼手のところにゴロが飛び、一塁でアウト。思い切って生還を試みた3塁走者もアウトにし、併殺を完成させた。

 和泉監督は西村の起用については「一番守備が安定している。スクイズだけはさせまいと思って。うまく彼のところにいって処理して、ホームタッチアウトもできた。予選からこういうのがあるよと練習はしていたが、練習試合を含めて試合では初めてだった」と明かした。

 見事な守備をみせた西村は本職は二塁手で、遊撃も練習していたという。出番が言われたときは「やっと来たかという気持ちとプレッシャーも感じました」と当時の心境を明かした。冷静に打球を処理し「スクイズ警戒でしたが、打球が来たときはもうやるしかないなという状況だった。サードランナーも見たり落ち着いてプレーできました。あの打者はこの試合でレフト方向へ打球を打っていたので、ちょっと右側に意識を置いて、左側に抜けたら最悪、(遊撃の)宇野さんに頼むしかないなと。ちょうど右側に来ました」と、振り替わった。

 併殺に倒れた大社の2番・藤江は「自分で決めてやろうと思ったんですけど、ああいうシフトを取られると自分の得意の流し打ちができなくて・引っ張ろうとはしたんですけど、相手の球威に押されてああいう形になりました」と、振り返った。レフトゴロについては「人生で初めてです。自分があそこで決めておけばって後悔はあるんですけど、勝って反省できるのはいいこと」と、糧とすることを誓った。

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