小松大谷・西川 3年の夏に幕「野球の楽しさ一番味わえた」名門ねじ伏せ「自信になりました」
「全国高校野球選手権・3回戦、智弁学園6-3小松大谷」(17日、甲子園球場)
名だたる強豪を次々と撃破した右腕の夏が終わった。小松大谷(石川)のエース・西川大智投手(3年)は七回途中から登板し、好投するも敗戦。「エースとして全部先発して、みんなを勝たせたかった」とあふれる涙をこらえきれなかった。
大きなインパクトを残した夏だった。県大会決勝では昨秋神宮大会を制し、選抜でもベスト4に進出した星稜を完封。今大会2回戦では「桐蔭だから(意識)っていうのは弱気になっている証拠。同じ高校生」と大阪桐蔭を9回わずか92球でシャットアウトした。
「お手本のような有名な高校とやらせてもらって、勝ち上がったのは自信になりました」と駆け抜けた夏。決してスピードはないが、打者の反応を見て配球を考える自慢の投球術で、強豪にも果敢に立ち向かった。
目標の日本一には届かなかったが、聖地で過ごした濃密な時間。「観客も雰囲気も相手も全国トップ。野球の楽しさを一番味わえた時期だった。本当に楽しかったです」と少し笑みも出た。「通過点だと思うので、大学に行って野球人生につなげたい」。高校野球に区切りをつけ、次のステージに進む。
◆西川 大智(にしかわ・だいち)2006年8月15日生まれ。18歳。181センチ、68キロ。石川県小松市出身。右投げ左打ち。小学2年から安宅少年野球クラブで野球を始め、安宅中学では軟式野球部に所属。小松大谷では1年秋からベンチ入り。50メートル走6秒1、遠投106メートル