ミラクル大社散る この夏一番の感動と“神話”を残して 馬庭投げ抜いた492球 甲子園の土持ち帰らず

 大社・石飛監督に慰められながらベンチへ向かう馬庭(左)=撮影・開出牧
 9回、内野安打を放ち、ほえる大社・藤江(中央)=撮影・北村雅宏
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 「全国高校野球選手権・準々決勝、神村学園8-2大社」(19日、甲子園球場)

 ミラクルは続かなかった。107年ぶりの4強を目指した大社は準々決勝で敗退。今大会4試合で計492球を投げ、旋風の立役者となった馬庭優太投手(3年)は「抑えることができなくて最後こういう形になってしまって申し訳ない」と真っ赤な目で声を詰まらせた。

 雨でぬかるんだマウンドが敵となった。同点の五回無死一、二塁、3番手で登板すると、3番・今岡の遊ゴロの間に失策も絡んで勝ち越し点を献上。「地面に対応できなくて自分らしくピッチングできなかった」と七回には四球から4連打で4点を失った。

 それでも、駆けつけた大応援団からの声援を背に八、九回にチャンスを作り、何度も“奇跡”を思い起こさせた。歴史を変えることはできなかったが、重かった扉が開いた夏。石飛文太監督(42)は「大社の歴史が動いた瞬間であるのは確か。今後100年に対してのスタートだと思います」と胸を張る。

 馬庭も「後輩が上の景色を見せてくれると思うのでそのときに少し分けてもらえたら」と甲子園の土は持ち帰らなかった。思いを託された後輩たちが、またここから歴史を紡いでいく。

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